公正証書の有効活用
業務で公正証書をお考えの際はご相談ください
公正証書の効果について
公正証書とは、公証人法に基づき極めて厳格な方式によって作成された文書のことです。
- 公正証書は法務大臣より任命された、公正な第三者である公証人によって作成される公文書であるため、正しい内容であることが推定されます。
- 私人が作成した私文書より強い証明力が働いているとされています。そのため公正証書の内容が裁判で無効とされる可能性はほとんどありません。
- 公正証書は強い執行力も有しています。執行認諾約款が記載されている場合においては、裁判を経なくても強制執行をすることができます。
- 公正証書は高い安全性や信頼性を備え持つ文書であり、特に債権保全については非常に効果の高い文書となります。
- 公証人が関与した公正証書を作成することで、相手方の債務に対する履行を担保することができ、また心理的な圧力を与えることによって履行を促す効果があります。
- 作成され、当事者が記名押印された文書には法的効果が発生します。
公正証書の内容について
- 公正証書はあくまでも、契約書の権利義務関係を確定するものですので、契約当事者の一方によって勝手に作成されるべきものではありません。
- 契約書の権利義務について、相手方に内容を示して納得いただいてはじめて公正証書の作成をすることができます。
- 特に金銭契約を結ぶ上で重要な強制執行認諾約款については、相手方から記載の旨の同意をいただかなくてはなりません。
- 相手の方に公正証書を作成する必要性をご説明し、双方にメリットあることを十分納得された形(基本的には当然依頼者様側のメリットの方が大きくなりますが)で作成することが重要になります。
- 当事者双方の合意によってはじめて作成されるものになります。ですので当事者双方が公証役場に出向き、公正証書を作成することとなります。
- 公証人に対しての事実に反する申告によって、不正に公正証書を作成すると罪に問われます。
公正証書を作成するメリット
- 最大のメリットは、強制執行認諾約款を付すことによって訴訟による手続きを経ずに、強制執行に至るまでの手続きを大幅に短縮できることです。訴訟による時間的・金銭的コストを排除することができます。
- 強制執行認諾約款によって、債務不履行を確実に減らすことができ、契約関係が極めて安定します。
- 契約の内容が公証人によって確認されていますので、訴訟等になった場合も有力な証拠となります。
公正証書を作成するデメリット
- 当事者間における信頼関係に不安定性をもたらす可能性がありますので、作成する際は相手方の十分な納得が必要になります。しかしそもそも公正証書を作成する場合は債務不履行が生じることを前提とした性質のものですので、商習慣として割り切っていただくことも必要です。
- 金銭債権以外の目的物については、強制執行認諾約款を付すことができません。公正証書を作成する者は、金銭債務を有するか否かが公正証書を作成するひとつの目安になります。
- 金銭債務においても少額訴訟との絡みもあり、費用対効果を検討する必要があります。
- 作成に費用がかかります。
ご依頼いただく場合の注意点について
- 公証役場に出向いての作成を当職に委任される場合には、当職は相手方の代理人となり、依頼者様ご本人とあわせて2名が公証役場に出向くこととなります。
- 依頼者様ご自身も公証役場に出向かず当職に作成を依頼される場合は、相手方代理人当職の他に、もう一名依頼者様の代理人行政書士(こちらで用意)を立てることになります。この場合の費用は行政書士1名の追加費用(立会い費用のみ)が発生します。
- 具体的にはご依頼をいただいて依頼者様と内容を十分吟味し、公正証書の文案を作成して相手方に送付します。
- 相手方に強制執行許諾約款を付した文案を送付し、相手方から同文面で公正証書を代理作成する旨の委任状をいただくことになりますので、ご依頼者様は事前に相手方とその旨の合意も取り付けていただくことになります。
- 相手方に委任状をいただきます(実印捺印および印鑑証明が必要になります)。
- 契約当事者として、公正証書謄本を確実に受け取っていただきます。
- あらかじめ相手方の同意を得てください。
委任状には依頼者様と相手方の実印と印鑑証明が必要です。
公正証書の作成代行は当事務所にお任せください
強制執行認諾約款について
強制執行認諾約款の内容は次のとおりとなります。
- 強制執行認諾約款とは、公正証書において相手方が「債務不履行の場合には強制執行を受けても異議はない」旨を認めた内容のものです。
- 強制執行認諾約款がない場合は、たとえ債務不履行であったとしても、裁判で勝訴しなければ強制執行を行うことはできません。
- 公正証書に強制執行認諾約款が付けられている場合は、より強力な執行権をもつことになり、債務不履行があった場合において、債権者は裁判をしなくても強制執行が可能になります。
- 裁判によって明らかにされるべき契約書の存在及び内容が、公正証書によって明らかにされているためです。
- 強制執行が認められるのは、賃金や代金のような金銭の支払い等、金銭関係が目的のものに限られます。
- 不動産の引渡し等、目的が金銭債務以外の場合は、認諾約款がついていても強制執行をすることはできません。
公正証書の作成が可能なもの
公正証書を作成できる内容は次のとおりです。
- 公証人法で禁じられているもの以外は公正証書を作成できます。
- 売買や賃貸借などの契約書や、遺言書など法律行為に関するものは作成できます。
- 離婚や後見制度など、個人の権利の取得や喪失といったことの事実証明に関するものは作成できます。
- 特に金銭に関するものはその存在意義は大きく、大きな金額の貸し借りの場合には必ず作るべきものです。
公正証書を作成しなければならないもの
次の場合は公正証書を作成しなければはなりません。
- 事業用定期借地権を設定する契約の場合は、公正証書を作成しなければなりません。借地権は長期に渡る契約であり、かつ賃借人保護のための規定がないため、それを補う目的として作成されます。
- マンションなどの管理規約について、分譲前に分譲業者が単独で規約を定める場合は、公正証書を作成しなければなりません。
- 任意後見契約を結ぶ場合は、公正証書を作成しなければなりません。公正証書は財産管理を依頼する本人と、本人が後見を必要とされる将来にその財産管理を任される任意後見受任者との間で作成します。
- 事業のための貸金を保証する場合は、公正証書を作成しなければなりません。
公正証書にできない内容について
公正証書が作成できない内容は次のとおりです。
- 法令に違反するものは作成できません。
- 愛人契約などの、公序良俗に反するものは作成できません。
- 当事者が未成年者や成年被後見人などの制限行為能力者がした契約のように、取り消すことが出来る法律行為に関するものは作成できません。
公証人手数料
公正証書作成に係る公証人手数料は、目的の価額(記載される金額)によって異なります。
- 100万円以下の場合は、5000円です。
- 100万円を超え200万円以下の場合は、7000円です。
- 200万円を超え500万円以下の場合は、11000円です。
- 500万円を超え1000万円以下の場合は、17000円です。
- 1000万円を超え3000万円以下の場合は、23000円です。
- 3000万円を超え5000万円以下の場合は、29000円です。
- 5000万円を超え1億円以下の場合は、43000円です。
- 1億円を超え3億円以下の場合は、43000円プラス5000万円ごとに13000円を加算します。
- 3億円を超え10億円以下の場合は、95000円プラス5000万円ごとに11000円を加算します。
- 10億円を超える場合は、249000円プラス5000万円ごとに8000円を加算します。
目的の金額の計算の仕方は次のとおりです
- 当事者の一方だけが義務を負う場合にはその価額が目的価額になりますが、双方が義務を負う場合には、双方が負担する価額の合計額が目的価額となります。
- 数個の法律行為が1通の証書に記載されている場合には、それぞれの法律行為ごとに別々に手数料を計算し、その合計額がその証書の手数料になります。
- 金銭の貸借契約とその保証契約が同一証書に記載されるときなど、法律行為に主従の関係があるときは、従たる法律行為である保証契約は計算の対象には含まれません。
- 任意後見契約のように目的価額を算定することができないときは、例外的な場合を除いて500万円とみなされます。
- 法律行為に係る証書の作成についての手数料については、証書の枚数が法務省令で定める枚数の計算方法により4枚(法務省令で定める横書の証書にあっては3枚)を超えるときは、超える1枚ごとに250円が加算されます。
公正証書作成にかかる印紙代について
金銭消費貸借契約や売買契約などの公正証書においては、印紙税法に定める所定の印紙代がかかります。
- 1万円未満は非課税です。
- 10万円以下の場合は、200円です。
- 10万円を超え50万円以下の場合は、400円です。
- 50万円を超え100万円以下の場合は、1000円です。
- 100万円を超え500万円以下の場合は、2000円です。
- 500万円を超え1千万円以下の場合は、10000円です。
- 1千万円を超え5千万円以下の場合は、20000円です。
- 5千万円を超え1億円以下の場合は、60000円です。
- 1億円を超え5億円以下の場合は、100000万円です。
- 5億円を超え10億円以下の場合は、200000万円です。
- 10億円を超え50億円以下の場合は、400000円です。
- 50億円を超えるものの場合は、600000円です。
- 契約金額の記載が無いものの場合は、200円です。
その他費用
- 確定日付の付与
- 執行文の付与
- 正本・謄本の送達申請
- 送達証明
- 正本・謄本の交付
- 特別送達郵便料
1通につき700円
債務名義の正本に執行文を付与することについての手数料は通常1700円。数通付与や再度の付与の場合は別途1700円が加算されます。
1通につき1400円
1通につき250円
1通につき250円
1通につき1110円
公正証書は費用はかかっても、それに見合う価値のある文書です。
ご依頼をいただいた場合の段取です
- 公正証書作成のご相談をいただきます。概要をお聞きし、公正証書の作成が有効な場合は詳細をお聞きします。
- 当事務所はあくまでも、決定事項に関し公正証書の原案作成から公証役場での作成を代行していく役目になります。契約事項を相手方と交渉する立場にはございません。
- 当事務所での面談やお電話、メールまたはFAXにて詳細をお聞きします。
- 契約内容
- 相手方
- 債権の額
- 返済期日
- 損害賠償や契約解除
- 強制執行認諾約款付記
- 公正証書を作成するに際しての相手方との合意と協力等
- お見積りを提示いたします。
- 依頼者様に本件ご契約書をいただきます(郵送、FAX等)。
- ご入金確認後、文案を作成いたします(文案作成のみの場合は全額、フルコースの場合は半額)。
- 文案を作成し、依頼者様と詳細を確認しながら「公正証書原案」を作成いまします。
- 「公正証書原案」を依頼者様にお渡しし、当職との契約が完了致します。。
- 依頼者様と相手方双方が、公証役場に「公正証書原案」を持参し公正証書を作成します。
- 事前に公証役場に予約を取るとともに、依頼者様が署名捺印した「公正証書」を公証人に送付またはメールください。
- 本人確認のため、免許証等を持参ください。念のため公証役場に当日持参するものを確認ください。
- 専門家以外の者が、当日それぞれの代行者として出向くこともできます。これは公証役場によって要件が異なる場合がありますので、代行人が可能であるかどうかとその要件も事前に公証役場に確認ください。
公正証書原案作成コース
公正証書原案を作成するコースになります。
*あくまでも「原案」ですので、公正証書は公証役場で作成ください。
公正証書作成フルコース
公正証書原案の作成から、公証役場での公正証書作成および最後の送達証明交付までのフルコースになります。
*依頼者様が公証役場に出向かれる場合(作成の際の1度のみです)は、相手方代理人の当職1名、依頼者様が出向かれずに当方のみでの作成の場合は、依頼者様側の代理人も必要になります。
- 「公正証書原案」作成までは同じ工程になります。
- 「公正証書原案」を各当事者様(依頼者様と相手方)に郵送しますので、各当事者様それぞれが「公正証書原案」に署名捺印後、当事務所にご返送(返送用封筒同封)いただきます。
- 各当事者様に、本原案を基にした「公正証書作成の委任状」を送付します。「公正証書作成の委任状」に記名・「実印捺印」の上、「印鑑証明」も併せてご返送いただきます。
- 当職が公証人との事前打ち合わせの上、必要があれば様式等の補完をいたします。
- 当職と依頼者様の2名あるいは当職と依頼者様代理人が、公証役場にて公正証書を作成いたします。
- 公正証書の「原本」は公証役場に保管され、「正本」が依頼者様(債権者)、「謄本」が相手方(債務者)に特別送達(郵送)されます。
- 当職が特別送達の確認後、再度公証役場に出向き、「送達証明書」の交付と「単純執行文の付与」を申請します。
- 「送達証明書」の交付と「単純執行文の付与」の交付、および郵送をもって、当職との契約が完了致します。
*相手方の同意がないと公正証書が作成できませんので、同意の依頼と早めの返送をご依頼ください。
*「送達証明書」とは、相手方に公正証書が届いたことの証明書になります。
*「単純執行文の付与」とは、本公正証書によって強制執行を行うことの出来る旨の文書になります。これらは債務不履行の際、裁判所に申し立てを場合に必要な書類になります。
メールで回答させていただきます
行政書士鈴木コンサルタント事務所
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